「間違いを指摘しただけなのに、急に不機嫌になる」
「少し難しい問題になると、もうやらない!と投げ出す」
わが家でも、6歳の息子との家庭学習はまさにこれの連続でした。
結論から言うと、子どものやる気を左右していたのは「内容」ではなく、親の“声かけ”ひとつでした。
この記事では、プライドの高い6歳男児に劇的な効果があった声かけと、逆効果だったNG対応を具体例つきでまとめます。
なぜ子どもは「間違い」をこれほど嫌がるのか?
まず前提として、育児本には「幼児から小学校低学年の子どもにとって、間違い = 失敗 = 自分という人間が否定された と感じやすい時期」とありました。
特に、わが家の息子のようなタイプは要注意でした。
- 負けず嫌いで、常に一番でいたい
- 完璧主義で、100点以外は認めない
- 周りより「できる」という自覚がある
こういうタイプにとって、「×」や「修正」はプライドを切り裂くナイフのようなものだったのでしょう。
わが家で起きていた“あるある地獄”
当時の様子は、今思い出しても溜息が出るほどでした。
- 間違いを指摘 → 手で隠して「これでいいの!」とキレる
- 「難しいね」と言う → 「じゃあやらない!」と逃げる
- 思い通りにいかない → 消しゴムで紙が破れるまでぐしゃぐしゃにする
正直、毎日がケンカでした。
ここで私が気づいたのは、「正しく教えること」に執着するあまり、息子の「心の守り方」を忘れていたということでした。
【NG】良かれと思ってやっていた「地雷」声かけ
以前の私が、つい反射的に口にしていた言葉たち。
これらはプライドの高い息子にとって、やる気を削ぐ「地雷」でしかありませんでした。
- 「間違ってるよ」「答えが違うよ」:事実を伝えただけですが、息子には「否定」としか受け取られませんでした。
- 「ダメ!」:これが一番のシャットダウンワード。思考が完全に止まりました。
- 「難しいね」:寄り添うつもりが、本人の「できない自分を認めたくないプライド」を刺激し、「じゃあやらない!」を誘発していました。
さらに、一般的に「つい言いたくなるけれどNG」とされるのが以下の2つ。
私は意識して封印してきましたが、これらもプライドを傷つける大きな要因になります。
- 「なんで分からないの?」:理由を問う言葉ですが、子供には責められている圧迫感しか残りません。
- 「さっき(昨日)やったでしょ」:親にとっては「確認」でも、子供にとっては「記憶力の否定」に聞こえてしまいます。
【OK】自走が始まる「理系ママのとぼけ戦術」
意識したのはたった一つ、「正解を教えるのをやめること」です。
中でも最強だったのが、親が“分かっていないフリ”をする「とぼけ戦術」でした。
「あれぇ? ここ、どうなるの?(とぼける)」
→ 間違いを指摘せず、違和感だけ置いておく。すると子どもが「どれどれ?」と自分で見直し始めます。
「なんでそうなるのか教えて?」
→ 教える側(親)と教わる側(子)の立場を逆転させます。説明しようとすることで、子どもは自分で矛盾に気づき、勝手に修正し始めます。
分からずに手が止まっていたり、初見の問題だったら、問題集の白紙の所(狭ければ白い紙)を使って自分で答えに気づくように質問を出しました。
これがハマった瞬間、「自走」が始まりました。
うちでの間違いを指摘する会話の例
先日やった1000より大きい数を例にとると。
問題:6300は□と300を合わせた数です。
息子「わかった!6だ!(かきかき)」
私「6+300は306になっちゃうねぇ…」
息子「じゃぁ、これ(書いた6)消す!」
私「ん?そのままでいいよ。25は□と5を合わせた数です。だと□に何が入る?(空きスペースに書いて聞く)」
息子「2!(即答)」
私「2+5=7だよね? (これも空きスペースに書いて見える化) 」
息子「分かった!12!」
私「12+5は…?(さっきの2の横に1を書きながら)」
息子「17。あれぇ?あ!30だ!」
私「30+5=35?(これも書く)おしい!ちょっと大きくなりすぎちゃったんじゃない?」
息子「あ!20!20だよ!」
私「正解!(初めに書いた例の□に書き込む)」
息子「じゃぁ、答えは6000だ!」
私「よく分かったね!(即つながって掛け値なしにびっくり)さっき書いた6も近かったね」
息子「ほんと、惜しかったね!簡単簡単~♪」
という感じに間違いを指摘して答えを誘導します。
初めに「答えは6じゃないよ。」なんて言おうものなら大変なことになりますが、ポジティブな言葉だけで正解に導くことで本人は大満足で解き進めるようになりました。
【比較】兄妹でも全然違う!「×」への耐性
ちなみに、下の子(娘)は兄とは真逆のタイプです。
間違いを指摘されても「あ、そっか〜」とケロッとしています。
「違うよ」と言われてもダメージゼロ。
つまり、「プライド配慮」が必要かどうかは、完全にその子の性格によります。
兄にはこの「とぼけ戦術」が必須でしたが、妹にはストレートな指導の方が効率的だったりします。
【あわせて読みたい】
▶ 間違いを怖がらない?兄とは違う、妹の「×」への向き合い方
【後悔】中学生になった今、この声かけを振り返る
小1の当時、この「プライド配慮」に必死だった私ですが、中学生になった息子を見て思うことがあります。
今の息子は、当時培った「自分で気づく力」のおかげで、難しい数学の問題にも粘り強く取り組めるようになりました。
でも一方で、「間違いを素直に認める潔さ」をもっと早くから、少しずつでも教えておけばよかった、とも感じています。
一緒に勉強したいと言われてやっているのに、間違いを指摘するといまだにキレるのです。
さすがに、テスト前の暗記に時間のかかるとぼけ戦術は合いません。
客観的なルール(読解のルールなど)を伝える時と、本人のやる気を守る時のバランス。
これは家庭学習の永遠のテーマかもしれません。
まとめ:教え方より「守り方」
子どもの学力を伸ばす前に大事なのは、「子どものプライドを守り、安心して間違えられる空気」を作ることでした。
間違いを正すことよりも、
- 自分で気づける環境
- 「分かった!」を演出する親の演技力
これを用意する方が、結果的にプライドの高い子どもは伸びていきました。
もし今、毎日の家庭学習がケンカになっているなら、一度「正解を教えること」を捨てて、全力で「とぼけて」みてください。
それだけで、明日の空気は変わるはずです。
家庭学習でこれだけプライドが爆発する息子ですから、学校生活でも一筋縄ではいきませんでした。
「空手は使っちゃダメ」を守った結果、傘を叩き折ったのです…

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