「まだ幼児に読解問題は早いのかな?」
「文章はスラスラ読めるのに、問題になると全然できない……」
そんなモヤモヤを感じている方に向けて、6歳の息子と実際に文章読解に取り組んでみて分かった「リアルな実態」をまとめます。
結論から言うと、幼児の読解は“できない”のではなく、“大人とは全く違うルールで読んでいる”だけでした。
先取りや家庭学習全体については、こちらにまとめています。
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使った教材と、理系男子の反応
息子の算数のお気に入りドリルの国語版である、この「小学1年生向けの文章読解ドリル」を選びました。
リニューアルして、より使いやすくなっていますね。
- 1回3問で短時間で終わる(2〜3分)
- 文章も短く文節ごとのスペースで読みやすい
- 「だれがどうする」「気持ち」などテーマ別構成
という点が気に入っています。
算数は論理的に答えが決まるので得意な息子です。
でも、国語の「気持ちを読み取る」問題に入った途端、様子が一変しました。
同じように「読めるのに解けない」と感じたら、先取り全体の進め方も影響しているかもしれません。
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「寂しい」が「クッキー食べたい」になる理由
印象的だったのが、感情を問う問題です。
「お母さんが出かけてしまい、留守番をする男の子」のお話。
音読している最中、息子は「お母さん早く帰ってこないかな、寂しいね」と共感していました。 ところが、いざ設問になると……
問い:るすばんをするこういちは、どんな気持ちでしたか?
息子:「答えは、早くクッキー食べたい!」
さっき「寂しい」って言ったよね!?
もう一度読ませても、赤鉛筆で「さびしかった」という一文を指し示しても、答えは変わりません。
息子「答えは、おやつ楽しみ!」
私「そ、そうだね…確かに、おやつは楽しみとも思ってるかもしれない…」笑ってしまいました。
これは理解力不足というより、「登場人物の気持ち」を「自分の今の欲望」で上書きしてしまっている状態でした。
「くやしい」が「スゲー!」になる世界
別の問題では、「友達の方がどろだんごを上手に作れて、悔しい」という場面。
普通なら「くやしい」と答えるところですが、息子の回答は……
息子:「スゲー!」
私:「えっ、悔しくないの?」
息子:「だって、光っててきれいなんだよ?すごいじゃん!」
たしかに、その通りです。
ここで気づいたのは、幼児は問題文に書かれている感情よりも、「目の前の事実に対するポジティブな驚き」に反応するということ。
大人は文脈から「負けた→悔しい」という公式を当てはめますが、子どもは「すごい→スゲー!」とストレートに感じている。
これは未熟というより、純粋で素敵な感性だとも思えました。
息子「だって、きれいなんだよ?光ってるし!(挿絵)スゲーじゃん!」
私「そうだね、確かに凄いね…」
また別の問題でも、似たようなズレがありました。
「〇〇したのはだれですか」という問いに対して、本文に書かれている人物ではなく、
「ぼくもやったことある!」と、自分の話をし始めたのです。
これも、「読めていない」のではなく、“自分の体験と結びつけて理解している”状態なんですよね。
読解というより、まだ「会話」に近い読み方をしているのだと思います。
読解問題で本当に求められている「ルール」
この体験を通して、読解問題に必要なのは単純な「心」ではなく、以下の3つのルールだと再認識しました。
- 自分の感情を一旦横に置くこと
- 本文の中にある言葉だけを根拠にすること
- 出題者が設定した「正解の型」に合わせること
幼児にとっては、この「客観的なルール」に従うことが、感情のままに生きる自分を否定するようで難しいのかもしれません。
正直、このとき一番悩んだのは「どこまで教えるべきか」でした。
本文にははっきり「さびしかった」と書いてある。
だから、「ここに答えがあるよ」と教えることは簡単です。
でも、それをやってしまうと「自分で感じたことより、正解を優先する読み方」を教えてしまう気がしました。
一方で、何も言わなければ、今回のように「自分の気持ちで上書きする読み方」のままになる。
どちらが正しいのか分からず、当時は「まぁいいか」と流してしまいました。
でも今振り返ると、この“迷ったポイント”こそが、読解力を伸ばす分岐点だったと感じています。
【後悔】“そのうちできる”は通用しなかった。中学生になって見えた読解の壁
当時、私は「まだ幼児だし、そのうち学校で習えばできるようになるだろう」と、あえて正解を教え込まずに終わりました。
……しかし、その判断には大きな落とし穴がありました。
中学生になった現在の息子。
実は今も、テストで「自分の主観で選択肢を選んでしまう癖」に苦しんでいます。
算数や理科は得意ですが、国語の読解だけが点数が取れず、順位を押し下げる原因になっています。
読解の「客観的なルール」は、放っておいて身につくものではなく、早い段階から少しずつ「ゲームのルール」として伝えておくべきだったと後悔しています。
そのため、遅まきながら、中学2年生になった今。毎日読解の問題を解き、文章の中身を客観的に書き出す練習をしているところです。
小学生のうちからテストで差が見える部分でした。
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戦略的撤退と、その後の選択
当時、読解ドリルで自信を失わせるのを避けるため、私は「読解はお蔵入り、算数特化へシフト」という決断をしました。
これは大正解でした。
算数はいつでも先取り貯金があり、楽しくて簡単な教科として中学数学まで入りました。
「できないことを無理にやらせて勉強嫌いにしない。でも、弱点は把握しておく」
このバランスが、家庭学習を長く続けるコツだと感じています。
読解は焦らなくても大丈夫ですが、「勉強習慣」自体は早めに整えておくとかなり楽になります。
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まとめ
幼児の読解は、「できない」のではなく「大人とは違う視点で読んでいる」だけです。
そのズレを面白がりつつも、「テストの時は、本文の中から答えを見つけるんだよ」というルールを、遊び感覚で少しずつ教えてあげてください。
わが家の二の舞にならないためにも(笑)。
下の子(娘)は、この反省を活かして、もう少し早めに「客観的な読み方」を意識させていこうと思っています。
国語では苦戦しましたが、一方で算数は非常にスムーズに進みました。プライドを傷つけない教え方のコツなど、全体像はこちらにまとめています


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